茨木のりこの詩集を2冊持って
病院に入った。
もしかして、この世の最後の読み物になるかも知れない本を
何故茨木のりこの詩集にしたのか
私には全く解からない。
もしかして、女性の詩を読むのなんて初めてかもしれない。
何かに導かれるように彼女の詩集が読みたくなり
国語の教師をしている娘に何とか手に入らないかと
頼むと「ああ、椅りかからずですね。」といって
二日後には郵便で届けてくれた。
椅りかからず
(略)
できあいの思想には椅りかかりたくない
できあいの宗教には椅りかかりたくない
できあいに学問には椅りかかりたくない
いかなる権威にも椅りかかりたくない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
(略)
私は彼女の100分の1も強くは無いけれど
ああ、こうした人生も有りなんだって
納得している自分がいた。
それから茨木のりこは私のバイブルになった。
病院にて 3