船室は冷房が利いて
涼やかですが、船上は
焼けつくような日差しです。
観光スポットに来ると
船の拡声器が
観音様の形をしている山です
とか、冠のような岩山ですとか、
夫を待って佇んでいる女の姿に
見えますとか大声で
しかもいろんな国の言葉で
がなりたてるのです。
もうすこし、それぞれの想いに
任せたらいかがでしょうか。
桂林の景色が
一番喜ばれるのは
霧にかすむ
墨絵のような風景との事。
亜熱帯なので、冬といえども
滅多に雪が降らない
土地なのだそうですが
昨年の晩秋
紅葉の桂林に雪が
降ったのだそうです。
そんな千載一遇の機会に
巡り合わせたのが
何と、長野県からの
お客様だったとか。
長野県のお客様の反応が
いま一つで
実に残念であったと
陳さんは申しておりました。
この山が
雪に覆われた時のイメージから
以下の漢詩です。
千山 鳥飛ぶこと絶え
萬徑人蹤滅す
弧舟蓑笠の翁
獨り釣る寒江の雪
岸辺には中国の少数民族の人たちの生活も垣間見えます。
この山肌に
白と緑(黒く見える部分)
合わせて、数頭の馬が
見えるのだそうです。
想像力をかき集め
私が見つけたのは
たった1頭。
右脳の働きが弱っている
ようです。
お暇なら貴方も
探してみてください。
さて、桂林です。
昨夜は、どこかの部屋で
水漏れがあったとかで
大騒ぎだったそうです。
かなり遅くまでザワザワと
煩かったんだそうですが、
私は耳栓のお陰で
ぐっすり眠りました。
桂林は4時間余の漓江(りこう)下り
です。
中国旅行記U−2
船室で昼食を終え
のんびりしていると
売り子さんが
キラキラとした
アクセサリーを持って
現れました。
売り子のカモになるなとの
ツアコンからの厳しいお達し
がありましたが、
長い船旅に
少し飽きてきた私達テーブルは
売り子のとても良いカモと
なり果て、
しかし、実に楽しいひと時を
過ごしたのでありました。
柳宋元 江雪