夏の出会い
       雨の散歩編

雨の中を歩く。
眩い日の光は無いが
風景はすっかり
夏であることを物語っている。
雨には雨の風景がある。

畔の赤爪草と狐の剃刀の花に
足を止める。
銀色の雨粒に縁取られた芒の葉も
美しい。

春には桜を見上げて通った道も
今は見上げれば緑の葉の隙間から雨粒が落ちてくる。

でも今日の空は、どこか明るい。
明日は晴れるかもしれないね。
桜の実の黒く熟れた味覚がふと蘇る。
甘くて苦くてひどく渋い。
ちょっと、オイラの人生の味かも、、。
ちょっと君も食べてごらんよと言ったのに
J氏は、僕はいいって笑って拒絶した。
そーね、君はなかなか正しい。
黒く艶やかな桜の実の可愛さと、美女?の誘惑に負けないなんて
さ〜す〜が!