曼珠沙華と夕日

9月3日に生まれた君を
胸に抱いて初めて野に遊んだのは
河原まで続く土手が
曼珠沙華で真っ赤に埋め尽くされた
秋の日のことでした。
手折った曼珠沙華を君の目の前で振って
土手の頂に君と私の二人きり。

言わば、これが君のお宮参り。

それから曼珠沙華が咲くたびに
君の歳を数えます。

まあ、人生には色々有りますが
秋の夕日が
野のグラスいっぱい輝く光を注ぐ時
ブラボー、人生に乾杯。
曼珠沙華に清められた君の人生に幸あれ!