晩秋の散策ー3

この写真は
木と対峙して
撮影したものでは
ありません。
木に寄りかかったまま
頭の上にカメラを
持ち上げて
撮りました。

つまり
私は木の一部で
木はわたしです。
春や夏は
蜂やカブトムシに
蜜を与え
アリたちの
果てしない旅路となり

私を受け入れて
おおらかに
この地に立ち尽くす
祈りの木です。

烏瓜と言うよりは
動物たちの提灯だと思います。

山を切り開いて
大規模な開発が行なわれて30余年。
私が移り住んできてからも4半世紀が経ちます。
その頃は熊もタヌキも
人の姿に化けて
夜更けに口笛など吹きながら
裏の道を通って行ったりしていました。
赤い提灯が
お山のほうにゆらゆらと消えていくのを
見送りながら
そう信じたものです。

開発は更にその後もどんどん進み
この頃は、熊やタヌキたちも
人間の姿に化けるゆとりもなくなって来たようです。
今年は例年に無く
熊や猪が
人里に現われたと騒がれました。
彼らと共存出来る方法は無いものでしょうか。