白菜と菜の花
一体これは何の花かと
J氏が聞く。
これはどう見ても白菜の花。
未だに畑と田んぼの違いのわからない男がいる。
キュウリやトマトがいつ採れるとか、蓮華や蒲公英が
何時咲くとか、上弦の月とか下弦の月とか
知らないまま大人になった男がいる。
だから、ミレーの絵は理解の外に存在し
レジェの半泣きのピエロの絵をこよなく愛したりする。
生まれ落ちた土地の習い性といえば、それまでの事。
これはね、収穫されないまま畑に放って置かれた白菜が
子孫を残そうと花を咲かせたところです。
いわば、白菜の自己完結の姿。
哀しくも有り、めでたくも有り。
ものは考えようなんですよ。