青梅の街ー2

一本5円の棒付き
キャンディーやぬりえ
油紙の匂いのする
紙風船。
お眼目のぱっちり開いた
抱き人形。


それらは、村祭りか
何かの折に
やっと、
手にすることが出来たり
出来なかったり。

子ども時代の
幸せを演出した小物たち。

長い人生の中で
何処かに
置き忘れてきた小物たちだ。

過ぎ去った人たちの
思い出とともに
それらは全てあって
何か切ない思いで
通りに出ると
古いバス待ち会い所に
亡き父親そっくりの
老人の姿を見た。

そういえば、
もう今日あたりは彼岸の入り
地獄の蓋の開く時とか。
彼らもその辺りで
花見としゃれこんでいるのかも
しれません。