ねこやなぎ

今も昔もこの柔らかなねこやなぎに出会うと
春の足音が聞こえるようだ。
子供の頃
自転車を走らせて川を村はずれまでさかのぼり
川岸にねこやなぎを折り取った。
雪解けの水が銀色にせせらぎ、風も頬を切るように
冷たかったが、心は本当に幸せだった。


風笑みてねこやなぎのやわらかき和毛燃ゆよ命の形に

                 風うさぎ