枝垂れ梅の
淡い桃色の花が
ざわざわと
風に揺れて
咲いている様は
まるで天から
舞い降りた
美しい天女の
妖しいまでの
微笑みと
異界に誘われるような
春の舞を
夢うつつの狭間に
垣間見ているような
そんな気にさえ
なってまいります。

舞姫のまぼろし見たり枝垂れ梅

貴人(まれびと)の訪ない来るや鄙里に
乙女の舞の衣擦れの音

枝垂れ梅

風うさぎ