百日紅

コスモスを秋桜と書くのなら、サルスベリを夏桜と
呼びたいと思う。
炎天の空のもと、辺りを隙無く埋める蝉の鳴き声に
夢みるように咲き揃う百日紅。
車も、人の足も途絶えた夏の昼下がり
焼け付くようなアスファルトに黒く落ちる自分の影を
2005年の8月の空に影送りしよう。
広島と長崎に鳴り響く鐘の音に黙祷。