誕生日に

昔、『キャッツ」は新宿にテントを張って上演されていた。
主題歌メモリーが巷に流れ、
心惹かれ憧れるものは大きかったが、如何せん貧乏学生には
無縁のものであった。
しかし、ありがたい事に『キャッツ」はロングランを重ね、
時を経て娘が大学生になった頃、
娘と共に憧れのミュージカルを初めて観る事が
出来たのだった。
場所はすでに品川。
がらんとした空き地に夕日が落ちていく風景があった。
それから更に十年、今度はJ氏と共に再び『キャッツ」を観る
機会を得た。
キャッツシアターはビルの谷間に埋もれていたが。