お寺というものは様々で、
無用の者の入山を許可しないものから
拝観料を出させておいて
一木一草の写真を撮る事さえ
許さない所もあります。

しかしその多くは
広く人々に門戸が開かれていて
仏との出会いが何時でも出来るように
なっているのが、常のようでございます。

そればかりか、このお寺は
境内に散った銀杏の実を好きなだけ
拾う事も出来ます。
好きなだけと申しても、
臭い袋から種を取り出し、翡翠色の銀杏を
食卓に乗せるには、かなりの手間がいるので
私どもは、せいぜい
両の掌にのる程度と致しましょう。

拝観を許さぬ寺の冬紅葉

        西沢破風

日本水の森番外編