いつもならすれ違う車など
滅多に無くて
たまに有ったとしても
山道を知りぬいた地元人の
運転は鮮やかで
車のすれ違いに
そう手間取る事も
無いのだが
今日は対向車がやけに
多く、
山道に慣れていない
車は
行きもせず戻りもせず
かといって、寄りもせず
時間だけがやけにかかって
一刻を争う身にとって
心急れる
山への
道行。
やっと、日没前にたどり着いた
中間平は
赤々の夕焼け。
山は燃え上がる
炎のようだけれど
風は
雪虫を浮かべるような
身を切る
冷たさ。
ホウの葉のなごりの秋やコンと鳴け
(風うさぎ)
中間平ー杉林